死を悼む動物たち

死を悼む動物たち

今日は第3回目の本の紹介です。

「死を悼む動物たち」

バーバラ・J・キングさん 訳 秋山 勝さん
草思社

生物学、大脳生理学の死生観からもう少しだけ宗教寄りにした本を紹介致します。人間が死を悼む動物であることはもちろん分かりますが、動物たちはいかがでしょうか?動物たちも仲間たちの死をどのように受け止めているんでしょうか?
そんな中にボクの死生観やお墓づくり仕事のヒントがあるような気がしまして読んでみました。

著書内にある野生のサルの話ですが、子供を病気で失った母ザルはその我が子の死を受け入れられず、冷たくなった我が子をずっと抱きしめ、生活し続けたという話があります。7日以内に亡くなった我が子を手放せるのは91%。9%もの母ザルは亡骸をずっと抱き続けるそうです。

象では群の象(特に群の上位の象)が亡くなると、その亡骸に向かい、みんなで取り囲むように円を作り、鼻を上げ下げします。お葬式の様ですね。群れの中の結束力を高めるうえでもこの儀式は大切な位置づけにされているそうです。

他に飼い犬同士の話や他の動物たちのエピソードがたくさん載っています。何かの時にまたご紹介いたします。

ウォルト・ディズニーの世界の様に動物たちも我々の世界のように、コミュニケーションをとり高度な社会を作っていて、家族や仲間の死を悼む心があるということがわかりました。しかし、動物たちに死を悼む心はありますが、お墓をつくり、お参りする動物は人間以外には見受けられないそうです。人間ならではのその感性を大切にし、そしてその心を後世に伝えていきたいと思います。


ページトップへ